2017年03月21日

第29回勉強会

2月27日月曜日に29回目の勉強会が開催され

80人の方々がご参加いただけました。

今回のテーマは「ニンジン」でした。

一人目の発表は自己紹介ということで

第29回勉強会

自然栽培の仲間たちの川代さんです。

自然栽培の仲間たちという自然食のお店をやっているのですが、

今回は東京からわざわざ来てくださいました。

川代さんはいつもお店で自然栽培の野菜たちを販売しています。

そんな川代さんの販売者としての現場目線でいろいろと紹介してくれました。

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自然栽培の野菜はやっぱりこういった方々に愛されているようです。

自然栽培の野菜はいいものだから置けば売れるかと言えばそうではないです。

川代さんたちも袋詰めの仕方などが変わるだけで売れ行きが倍になったりするのを見ると

こういうことも農家さんに提案していこうといろいろと助言をいただけます。

自然栽培野菜はちょっとしたことでサイズが小さめになってしまうこともあります。

でもどうか捨てないでください。

要はお客さんにとって都合のいいサイズなら

それは規格外品として売らなくてもちゃんと売れます。

最近の都会のお客さんの傾向としては

使いきりサイズが好評です。

ものによっては小さめのほうが売れてます。

とのことです。

そしてもし畑で採れ過ぎて困っていたら

自然栽培野菜であればぜひご連絡ください。

レストランなどからも欲しいという声がたくさん上がってます。

2人目は

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陽なたぼっこの高橋政光さんです。

高橋さんの事例は有機質肥料を使用しています。

肥料を土の中に入れると又割れしやすいと感じているので

追肥などは土の上におくようにしています。

耕してすぐ種をまいても

乾燥しすぎて発芽しにくいです。

7月中旬に種をまいてしっかり踏んで

土が乾きにくいようにしておきます。

種はたくさん播きます。

間引きをいっぱいしたほうがうまくいきます。

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結果こんな感じでニンジンとなります。

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八事ニンジンは難しくて黒田五寸は作りやすいと感じています。

7月中旬まきだと皆が焼けるのでできないと言っている中で

7月中旬まきで水やりをしていないようです。

踏んでしっかりと種と土を密着させれば発芽するとのことでした。

3人目は

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代表 安田義人さんです。

安田さんは三重県でニンジン、タマネギ、ジャガイモ、サツマイモなどを自然栽培で作ってます。

それらは給食にも使用してもらえてます。

安田さんのニンジン品種は

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紅奏という7寸ニンジンです。

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まだニンジンはあるので持って来てくれました。

安田さんもニンジンは土の中で炭酸ガスの影響を受け、

伸びなかったり、又割れになるので

未熟堆肥や草などを

ニンジンの畝を作る前にすきこまないようにしています。

硬盤層という土中の固い層がどこらの深さにあるかを把握しておきます。

ニンジンが硬盤層にあたると

伸びないことを利用して

わざといい深さに硬盤層を作って

生育やニンジンの長さをそろえていけたらと考えています。

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2016年の夏播きは草取りから解放されたいことと

畑の水分保持のために

白黒マルチを使用しました。

黒じゃないのは地温を下げるためです。

1穴に3粒まくことで互いが支え合い風に強いです。

通路の草はわざと生やして

雨が降って、間引きや除草作業のときにぬかるまずに入れます。

本葉4~5枚のときに間引きをします。

このタイミングより早いと倒れ

遅いと変形になります。

この作り方で又割れは50本に1本程度ですみましたが、

根腐れに繋がりやすいなと思いました。

種まきは他にもやり方を試していて

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クリーンシーダという播種機を使用してます。

ニンジンの種は

コート種子と裸種子とあり

コート種子はコーティングされているので播きやすいが

水が切れると発芽しにくくなります。

裸種子はそのままの種子なので

播きづらいけど発芽はしやすいです。

裸種子でも播ける播種機を作ればいいと

先ほどのクリーンシーダの種用のロール部の穴を

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これでニンジンにちょうどいいサイズにして

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裸種子でも数粒ずつまけるように作りました。

今年はマルチをやめるそうです。

根腐れが気になるようです。

葉からの酸素取り入れより根からの酸素取り入れが多いとのこともあり、

中耕をして育てます。

4人目は

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碧南市の棚宗サラダ園の石川寛子さんです。

有機栽培と自然栽培の両方やっていて

昔は普通の栽培でやってました。

これらの経験からいろんな情報を出していただけました。

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畝は15~20cmの高さで天が90cm幅です。

4条でまいていて

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2連のクリーンシーダです。

2条2条の間を少しあけて

中耕用のスペースをとってあります。

畝のサイドからの中耕だけだと間に土が盛れません。

2条2条の間からも手押しの中耕カルチを入れて

土寄せができるようにしてあります。

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条間は12,5cmです。

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台風対策として種はたくさん播きます。

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間引きは本葉5~7枚でやってます。

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収穫の様子

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自然栽培ニンジンたち

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マルチャーです。

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これくらいの高さの設定です。

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ニンジンのないところは中耕するように畝を削って取ってます。

右の道具はQホー(キュウホー)で広いところはこれで削ります。

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こういうのに座って

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後ろ向きに進んで除草すると楽です。

今回石川さんには使ってる道具も教えてよと頼んでおきました。

自然栽培でできないのではなくて

農業でできてないパターンが多いです。

作業効率を上げていくやり方などもいろんな栽培方法からも取り入れていけますので

これからもいろんな栽培の方にもテーマに沿えれば話していただきたいと思ってます。

ここからはたくさん質問がありました。

夏播きは多くの人が暑すぎて8月のお盆あたりからの播種時期を採用してます。

安田さんは8/15~9月の1週目までにまきます。

秋雨前線にぶつかる直前を狙います。

石川さんは8/20~9/10にまきます。

肥料ありなら9/15までまけます。

無肥料だと遅くなりすぎると生育が途中で寒さがきてしまい

小さいニンジンになってしまうとのことです。

大府の青木さんは9/10~15でまいた自然栽培ニンジンが

12月に収穫できましたと教えてくれました。

これらは土質や地域によっても変わると思いますが

いろんな人から情報をかき集めるとなんとなく最適な時期が見えてきますね。

ニンジンの保管は

ニンジンを洗ってビニール袋に入れて閉じてコンテナに入れておけば大丈夫だそうです。

2月下旬になっても出荷できます。

土はつけておくとシミになると言ってました。

保管には3℃の温度と90%の湿度があればうまくいきます。

洗うと縦に割れるという方がいました。

ニンジン産地碧南の石川さんがそれをよく知っていて

冬に朝ニンジンを収穫すると凍ることがあるので

収穫したらまず畑に並べます。

水分をとばしてから回収して

次の日に洗えば割れることはないそうです。

ぬるま湯でやったら割れなかったという意見もありました。

間引き菜をどう利用しているかという質問には

ほとんどが捨てているようです。

ニンジンの間引き菜は日持ちしないので

すぐ水切れになり

お店においておける期間がとても短いので多少は売れても

ほとんどが商品にならないそうです。

ふりかけやおひたし、パセリの代わりなどにできます。

春まきのニンジンについては

2月初めにまくならトンネルなりビニールをかけて保温して発芽させます。

3月1日でもビニールがほしいとのことです。

だいたい皆春にまく場合は

3月中旬にまくようです。

それならビニール保温はいりません。

水やりは春はやらなくても出るという人が多かったです。

春まきは1粒まきしても夏よりも発芽するから大丈夫だったという意見もありました。

3/15にまいて6/1収穫になりそうですが、

春まきのニンジンは暑さや梅雨の影響からも

腐りやすかったり、食味が落ちやすいようです。

ニンジンとテーマを絞って皆で意見を出しあうと

どんな手が有効かが見えてきます。

またここからいろいろ試して

来年にもう1回同じテーマでやっても

更に進化した内容になりそうですね。

これからの勉強会が楽しみです。

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勉強会の後に交流する時間があります。

今回はマジシャンがいまして

交流している時間帯にかなり高度なトランプマジックが行われました。

あまりのすごさに

「小さいニンジンを大きくしたりできないのか?」

「1本が2本になったりしないのか?」

とかなり無理な要望がとびかっていました。


今月3月の勉強会は

3月27日月曜日 18:30~20:00
豊田市若草町2-6-8 「ほがらか」 にて開催します。

今回のテーマは「育苗」です。

特に稲の育苗をお願いしたいとの要望がありますので

写真など持ってこれる方は

USBに入れてぜひ持ってきてください。

皆さんのネタで成り立っている勉強会なのでよろしくお願いします。

礒井先生のプレゼンもあるので楽しみにしていてください。



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Posted by みどりの里 at 12:02 │コメントをする・見る(0)イベント
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