リンゴというもっとも農薬を必要とする果物を、
無農薬で成功させてしまった木村秋則さんが青森から来てくださいました。
農薬どころか肥料すら一切りんごに与えず、
自然の力を引き出すことで不可能を可能にした方です。
そこに行き着くまでに、
お米や様々な野菜をも無肥料無農薬で挑戦し、成功している方です。
来てしまったんです。
うちの田んぼと畑に来てしまったんです。
じゃあ早速大失敗したいちご畑を見てもらいました。
自分なりに自然栽培の手法も取り入れながら土づくりをしているのですが、
麦と大豆が雑草に覆われています。
そしたら、
「いい!」
と言ってもらえました。
そんじゃ土壌診断での養分の偏りや、腐食が少ないので落ち葉や廃菌庄入れたというと、
「土壌診断は化学肥料を使うためのものなので参考にならないし、落ち葉などを入れる必要はない」と言われました。
例え枯れているものでも土の中にすきこむということはしないほうがいいらしいです。
これも病気や虫の害のもとになるらしいです。
「すきこむと言う発想を無くしてくれ」
とまで言われてしまいました。
とにかく麦で余計な養分を抜き、麦の根で土を耕し、大豆で最高の形で窒素を補給する。
土は雑草が作るんだと言われました。
土のにおいをかぎました。
今までいいと思ってた枯れたものが入った土のにおい(放線菌のにおい)はまだダメな土で、
草刈りしてるだけのあぜの土を掘ってにおいをかいで、
「これが何でもできる土のにおいだ」と言われました。
畑の土よりにおいが薄くて、根っこのにおいという感じでした。
田んぼも見てもらうと今のところ問題は無さそうでした。
会長のやっている畑へも行きました。
問題ありです。
指差してる先にはトマトがあり、
「枯れる準備ができている」
と言われてしまいました。
去年僕がやったときも全滅したんです。
僕がやったときと同じように今年のトマトも肥料やってないのにどんどん茎が太くなって葉が濃くなっていきます。
このままいけば去年と同じことが起きてしまう。
僕は土が固いことでトマトは根を張れなくて枯れたと思っていました。
その対策はやったはずだったのに的はずれのようでした。
木村さんいわく、原因は水だそうです。
今回の話のテーマはほとんどが水害でした。
乾いているように見える畑を掘ってみるとすぐに湿った土が出てきました。
僕はこれくらいはいいと思っていた水分量だったのですが、
どうもダメなようです。
根は土が固くて伸びないなんてことはほとんどないようです。
ゆっくりゆっくり貫いていけるそうです。
でも、土の水分が多いと根は伸びれないようです。
水が多いと土はしまってしまい酸素がない状態になるし、
土壌のよい微生物(好気性の菌)も活躍できないし、
土は冷えてしまいます。
よって土は耕しても、何か育ててもいっこうに良くならないというわけです。
僕のいちごの失敗の原因も水分にあてはまります。
今のトマトは伸びれない根で水分を地上部へ送りなんとか育ってはいるけど、
地上部ばかりが育ち、地上部と根のバランスの崩れが限界を超えたとき、
枯れてしまうというわけです。
多くの病気も害虫も肥料だけでなく、水が多すぎるということも原因になるようです。
溝を掘って土壌の水分は下げてたつもりだったのですが、
全然足りないそうです。
もっと深い溝がいるそうです。
そして今度からは高畝を作るよう指導していただきました。
トマトに限らず、ほとんどの野菜にあてはまり、
(黄色くなってるホウレンソウは肥料切れじゃなくて土壌の水位が高いために根が伸びれないんだと根を見せてくれた)
水を欲しがる野菜は高畝にしても、それを植えるところをへこませて水が集まるようにしてあげればいいそうです。
水対策ができて初めて、豆や麦による土作りが活きてくるようです。
大豆は1株で稲わら500キロ分の養分(窒素)を畑に補給できるそうです。
土壌の水位を下げて土作りをしていけば、
土の中で眠っているバクテリア(細菌)が目覚めて活動を始め、
土の地力を引き出し、無肥料でも作物は育つということでした。
これだけ聞いただけじゃほとんどの人が信じないと思います。
僕も稲がうまくいってなければ嘘だろうと思ってしまうのですが、
肥料も農薬も一切やらず育てているうちの2年目の田んぼで、
こんなに生き生きと育つ稲を見てしまうと
いちごでもできるんじゃないかと思わずにはいられなくなるんです。
(会長も木村さんの自然栽培の話しに夢中です。)
圃場を見終わって、いっしょに指導していただいた
自然栽培農家の棚宗さんや、オイスカもいっしょに木村さんを囲んで食事しながら
自然栽培の話しで盛り上がり楽しいひと時となりました。
本当に勉強になりました。ありがとうございました。