2018年03月21日

第41回勉強会

2月26日開催いたしました、第41回勉強会の内容です。

今回の自己紹介は



棚宗サラダ園の石川さんが連れて来てくださった

(株)ほうろく屋の杉崎学さんです。

ほうろく屋さんのほうろく菜種油は

原料の菜種は無農薬無化学肥料栽培で作った国産で

天日干し、薪で火をくべて焙煎し、伝統的手法で時間と手間を惜しまず作った油です。

1本1本を手詰めで瓶に入れています。

そんな菜種油は酸化しづらく、

何度でも使用でき、捨てないですむ油となっています。

揚げ物を食べても胸やけすることはない菜種油です。

杉崎さんは若者を元気にする活動が先でして

ひきこもりなどの子たちを元気にするために菜種油や農園をやっています。



棚宗サラダ園の自然栽培サツマイモをほうろく菜種油で揚げたお菓子も商品化してあるようで

食べてみたら止められなくなるほど美味しいです。

今回の発表の1人目は



勉強会最初のころから参加し続けてくれている市川誠さんです。

仕事の傍ら自然栽培に挑戦中です。



手応えを感じているのはキクイモとスイカです。

キクイモはたくさん採れたのでまた来年の種イモとしてとっておく分も十分あります。



草だらけの場所を草刈って、耕して、透明マルチを張って



育ててみました。



スイカはものすごく育ってくれました。



だんだん大きくなって



21cmのサイズまで育って

8月13日収穫して食べました。

美味しかったです。

いつもは自然栽培でスイカ作ってもソフトボールくらいにしか育たなかったのが

勉強会でスイカ栽培事例を聞いて

いろいろ試してみたら大きくなってきてくれました。



タマネギと



白菜は失敗しました。

時間がなくて質問タイムを作れなくて申し訳なかったです。

タマネギは早生品種を選んでしておく植え付け時期を守り、

冬にはトンネルしておくと自然栽培でちゃんと作れますよ。

白菜はもう少し詳細聞きたかったですが、

次に白菜プレゼンがあるので次の方にうつります。

2人目は



無門福祉会の加藤稔さんの自然栽培白菜です。



播種9月6日~14日

畑の土を9cmポットに詰めてます。

品種は野崎白菜二号と野崎白菜一二三です。



10月2日に定植です。

株間は90cmもあけたので

もっと狭くできるだろうと2条でやったとこもあります。

それでもできたので来年はもっと株間を狭めて定植します。



寒くなってきたらトンネルをしました。



結球してくれて



12月7日~1月11日かけて収穫しました。



ほとんど結球して出荷できました。

白菜のできない年だったので無肥料無農薬で白菜ができたことに

多くの方々に驚いていただけました。

3人目は



オーガニックファーム旬彩 牧野真丈さんです。

水はけの対策の紹介と皆がどうやって対策をうっているのか聞いてみたいとのことでした。



畑まわりに溝を掘ります。



豆科緑肥のセスバニアの根で下に水がはけていかないかと育ててみました。



デモ機を機械屋さんに借りて硬盤を壊しました。



トウモロコシの丈夫な根で硬盤を壊して下に水が抜けていくようにと育てました。

やってみた結果





皆さんはどのようにして水はけ対策をしていますか?

とのことで皆それぞれやっていることを話してくださいました。

皆はどちらかというと明渠(溝)を畑まわりに掘ることで対策としている人がほとんどでした。

ユンボで溝を掘ったり

傾斜をきちんとつけて水がたまらないようにしたり、

段々畑なら自分の畑と上の畑や田んぼの間に溝を掘って

水がたまらずに溝の最後に出口があるように作っています。

みどりの里でも畑まわりに溝を掘ってきちんと出口のある状態にすることで

水はけの悪い畑でもトラクターが入れるようにすぐなりました。

明渠で結果が出ない場合はその溝が出口がないか

傾斜が逆になっていたりすのではないかと思います。

有機栽培だと水はけが悪いと被害が大きいですが、

自然栽培だと水はけが少々悪くても夏であれば全く問題ないです。

水はけ繋がりで

次はみどりの里です。

2年ほど硬盤は収穫量に影響があるかみてました。



田が浅いと収量が下がる傾向は少しありました。





これをイメージしてたわけです。



うちはよく乾く田んぼが多かったので

硬盤をわざわざ作らなくてもいいんじゃないかと思うようになってました。











硬盤の深さで収量は影響しないけど

硬盤が下がることで田が深くなり作業性が落ちることでの減収は見られました。

サブソイラの効果も少ないので入れる必要はないです。



田んぼの深さを感じるもう一つの要素が

表層の泥(トロトロ層)の厚みがあります。

硬盤が影響していないのでそっちが収量に影響している可能性が高くなりました。

1年そこを意識してやってみて手応えが少しありました。



耕し方を2年前のやり方に戻します。

硬盤を高くして作業性をよくして、

泥を増やすほうで田んぼの深さを作ることにします。



これを1回やるだけではまる田んぼもすぐはまらない田んぼに切り替わります。

こればかりやっていると自分の田んぼは湿田が一つもないと錯覚するくらいです。











これは水はけ対策や湿田対策にすぐ結果が出るのでおすすめです。

次は自然栽培ニンジンを1年挑戦してみた結果です。





1粒まきと3粒まきとやって様子をみてましたが、

うちでは1粒まきのほうがすんなり大きくなっていました。



3粒まきのほうはどうしても近くにライバルがいる状態になり

うちの畑が砂地でやせすぎているせいか

すぐ養分の奪いあいになっているようでした。

間引き菜を販売してみました。



6月13日の写真です。

5月が雨が少なくてよく乾いてしまって

ずっと水を打たないと葉を維持できない状態が続いていました。





だんだん暑くなってきてて

下葉が赤くなったりするので抜いてみると



根に起きたことがそのまま葉に出ます。



これはいかんと一気に収穫してしまいました。



もうちょっと育てたかったけど

もう暑さでストップがかかり始めていたので

ニンジンが暑さに相当弱いことがよくわかりました。



ニンジン出荷したらあまりに好評だったので

硝酸値を測ってみたらかなり低いです。



有機栽培のものと比較すると明らかですが、

別にこの値は悪くないと思います。

ただ値が低いとどんどんきめ細かい状態になっていきますので

そういうところを評価していただけたのだろうと思います。

ただ低すぎると栽培期間内で立派にニンジンまでもっていけないので

この低い値のまま立派なニンジンまでもっていくなら

もっと早くまいて暑さが来る前に収穫できるようにするしかないでしょう。



今度は冬収穫のニンジンです。

この前に8月14日に播種したニンジンは

豪雨などの不都合なことが起きたこともあり発芽率が悪すぎて失敗してます。



最低気温が25℃を下回ると発芽率が格段に上がります。











粘土畑で無門福祉会さんが作ったニンジンはここで収穫にたどり着けていました。

自然栽培だと経験上冬野菜は粘土がいい結果を出しやすくなります。



うちのニンジンはまだ全然ここまで育ってなかったです。

試験で育てているうちの畑は朝日が影ってしまうこともあり、

それも生育を遅らせている原因かもしれません。



今年は12月から1月並みの寒さがやってきましたから



寒い寒いとニンジンの葉が言ってました。





収穫できないでしょうとあきらめてましたが写真はとってました。





やはりニンジンは寒さに強いですね。

マイナスとか出てるのに新しい葉が出てきてました。

これが写真をとり続けてみようと思った理由です。







発芽率から生育、そして形などは自然栽培では品種による差が出ていませんでした。



地温がとれない分裸畝は小さいニンジンが多くなってしまいます。

葉の緑も少なかったので仕方ないです。



マルチありは裸畝より地温を上げれるので

冬でも生育が進んだのでしっかりしたニンジンが収穫できました。



又割れとかなかったし、

ニンジンが縦に長かったです。

ここが完全に不耕起になっていて

9月に水切れになりにくい状態で生育できたため

最初に根をどんどん下へ伸ばすことがうまくいったのでしょう。

機械で耕してないので硬盤もできる要因がないです。

これで暑い時期に無理やり播種しなくても

無肥料無農薬の自然栽培でニンジンが作れるめどがついてきました。

厳寒期でも成長するので小さい場合は収穫期を後にずらせば大丈夫です。

品質もすごくよかったです。

ニンジン嫌いな子と収穫していたのですが、

その子はニンジン洗ってその場で食べたところ

「美味しい」とまでは言いませんでしたが、

「食べられる」と数本ニンジンを食べている自分に驚きながら生で食べていました。

好きな子達は甘いし食べやすいと驚いていました。

葉が寒さで赤くなって

緑の部分が少なくなってしまうと品質が悪くなるのではと心配しましたが、

全く問題ないようです。

ここから先は私たちはイチゴや米やその他野菜と作業が被ってしまって

量産にまでは作業上もっていけないので

誰か続きをお願いしますね。

と勉強会の皆にお願いしておきました。

だんだんこうして情報交換しながら無農薬農業が活発になることを願っています。


次回は3月26日月曜日18時半~20時
豊田市若草町2-6-8 「ほがらか」
にて開催いたします。

また皆さんのご参加とネタをお待ちしておりますので
よろしくお願いいたします。


















  


Posted by みどりの里 at 11:41 │イベント

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2018年03月20日

NPO無肥研の研究報告会に行ってきました



3月18日に京都で毎年開かれている

無施肥無農薬栽培調査研究会(NPO無肥研)の報告会に

勉強会でいつもお世話になっている名城大学の礒井先生と一緒に参加してきました。

昨年この報告会に単独で参加したときに

大学の先生たちも集まってしっかりした調査のもとで

自然栽培の研究をして発表していました。

これは私の脳みそでは荷が重いと思い

礒井先生も絶対興味を持ってくれるだろうと思い誘ったところ

非常に楽しみにしていてくれての参加でした。

どんな発表かを一部紹介すると



調査地がラオスでしたが、

無施肥での30年トウモロコシの連作で

土壌が疲弊していくケースと

土壌が疲弊していかないケースと紹介しています。

土地が傾斜がついていると雨などで養分の流亡が起きて疲弊していってしまうのですが、

水平地ではそれがないため30年無施肥で作り続けても

収穫量と連作に相関関係が見られないです。

粘土畑であることも土壌が疲弊していかない要素になるようです。



これは根と共生している微生物の様子です。

さすが研究機関は根と微生物に色つけて見やすくしてくれてます。

紫が根で緑が微生物です。



「貧栄養条件下で植物の生長を促す内生糸状菌を発見した」

と書いてあります。

無肥料でもできる根拠がまた増えますね。



微生物の世界ではよく聞く話しかもしれませんが、

微生物は単独よりもいろんな種類との相互関係によって

能力を発揮します。

これは単独で検出してみた微生物を

無菌状態の土に入れたり

自然の状態の土に入れたり

いろんな組み合わせで試験してみたようで

そこでも有益な菌の効果を増強、安定化する微生物群が存在すると結論が出たようです。

裏付けがしっかりしてくると

生産者はそれを信じて作業を進めることができるので

素晴らしい研究だと思います。

もっと詳細や他の研究報告もありますが、

詳しくは礒井先生が勉強会で紹介してくれることになってますので

皆さん楽しみにしていてください。

私はこういった研究の世界が好きで

そこで研究している人も好きです。

こういった研究世界はすごく純粋で

自然の営みを知りたくて、自然の真理を掴みたくて

未知の領域を知りたいという純粋な気持ちと

その研究結果が世の役に立つことを心から願っている純粋さを

持ち合わせています。

懇親会ではそんな素敵な研究者の方々とお話しできて

頭がよくなったんじゃないかと錯覚して帰ってきました。

また来年もあるようなので楽しみにしております。

お世話になりました皆さまどうもありがとうございました。

  


Posted by みどりの里 at 09:18 │イベント

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2018年03月19日

自然栽培畑も賑やかになってきました

厳しかった冬が終わって暖かくなってきました。



寒さを乗り越えるためのトンネルも片づけなくてはなりません。



もう寒くないので障害者さんたちも穏やかな顔で畑に集まってきます。



足が悪くて畑で活躍しづらい桐沢さんも

片付け作業では大活躍です。



無門福祉会の重度な障害を持つ人たちも

こういった片づけ作業では

活躍できる場面が増えます。

設置するより片づけのほうが簡単です。

活躍できてると表情もいいです。



奥ではストレートアライブさんのA型の障害者さんたちが

ダイコンとカブの間引き作業をしています。

A型(軽度)、B型(重度)、私たちや、遠藤さんや林さんといった農家も集まってくれてます。

この日は「コトノネ」の取材もあったので皆カメラに写ろうと

いつも以上に畑に人がいます。

春らしい賑やかな光景になってて

自然栽培野菜たちも賑やかなのはうれしそうです。


カブも膨らんできてます。



ダイコンも一気に育ってきてます。



苗場ではレタスなどの野菜も春を待っていました。



若者サポートステーションの皆も来てくれて

無門福祉会さんと連携して苗を定植していきました。

彼らも自然栽培畑で普段できない体験をして成長していきます。

土に触れることがもう普段できない体験となってますので

作業しながらカエルを見るだけで感動です。


無門福祉会のみどりの里班は定植慣れしてきてます。



山崎さんは高齢だけど農作業してるときはいつも

子どものころに親を手伝って農作業していたときのことを思い出して、

楽しいみたいです。


いい感じです。


どんどん進んで2時間で7畝が終わりました。



うまくいってるとこは自然栽培イチゴがわんさとなってます。

ここも春だ春だと活気づいてきました。


キャリアセンターさんから職場体験に来た子も

1週間がんばって農作業に入ってくれました。

働けるようになりたいと

自然栽培畑の中で成長していってくれました。

だんだん作業時間を自分から長くしていけたので

素晴らしい進化だったと思います。


グリーンママンさんたちとの自然栽培田んぼも今年もやります。

先週説明会がありまして

4月26日に塩水選からスタートします。

この企画は自然栽培稲作だけでなく農福連携も体験できますので

1年参加すると一気に自分の世界が広がります。

グリーンママンさんが雑草に夢中になってて

食べられる雑草をみどりの里の果樹畑で育てる企画も今年はあるようです。

先週は本当にたくさんの人が春だ春だと集まって

楽しい1週間でした。
  


Posted by みどりの里 at 19:18 │野菜

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2018年03月05日

自然栽培イチゴで更に連携



自然栽培イチゴも春になってだんだん大きくなってきてくれました。



無門福祉会さんに渡している自然栽培イチゴハウスは

毎年みどりの里のハウスより出来がいいですね。

やっぱ障害者さんたちは純粋な気持ちでイチゴに触るから

イチゴが気持ちよく育っていけるんでしょうね。



葉に葉水が出ているので

体や根を作り始めています。

暖かくなると新葉が出るスピードがあがります。

このときは味を犠牲にしやすいです。

ここまで糖度20度付近を出し続けてきましたが、

この3月あたりはイチゴが急激に体作りをしますので

糖度が落ちてしまいます。

このときに味をのせる手はあるのですが、

体作りを犠牲にするので

ハダニなどの病害虫が多発したり

根を作ることができなくなり

これでおしまいとなってしまうのでなかなか選ぶことができません。

もうちょっとイチゴ株に体力があれば弱らせる手を選ぶのですが、

昨年の長雨などでそこまで育てられなかったので

今は体を優先したいところです。



大きな実も採れていました。

今シーズンも苦しみましたが、

あきらめずに栽培し続けることで病気も治っていきますから

自然栽培はいつもやっててよかったと思える結果になっていきます。



最近は美岳小屋の林さんたちも一緒になって収穫パッキング作業をやってます。

彼らは来シーズンから自然栽培イチゴを栽培する農家仲間なので

一緒に作業をして覚えてもらってます。

無門福祉会の障害者さんも一緒に作業して

いつもいろんな人が集まっている状態が

日常になってきているので

幸せな職場になりつつあります。

ストレートアライブさんたちも畑での収穫や販売を頑張ってくれてます。

少しずつですが、

皆で連携して助け合って結果が出るようになってきています。

もうすでに更にいい結果が出せるようにと準備が着々と進んでいます。

また次の展開を楽しみにしていてください。
  


Posted by みどりの里 at 10:23 │いちご

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